その昔、峠越えの難所として知られる箱根周辺を境にして東に広がる国々を 「坂東」 と呼んでいました。
「四国八十八ヶ所霊場」 はお遍路さんでお馴染みですが、関東の 「坂東三十三観音霊場」 はあまり知られていません。

鎌倉市の 1番・大蔵山杉本寺(杉本観音)から始まり、館山市の33番・補陀洛山那古寺(那
古観音)まで 1都 6県にまたがります。
雷門で有名な東京・浅草の金龍山浅草寺(浅草観音)は 13番、私の好きな東松山市の巖殿山正法寺(岩殿観音)は 10番、どちらも身近に感じます。

JR宇都宮駅の西北西 8km、大谷石の産地に建つ 19番・天開山大谷寺(大谷観音)に日本最古の磨崖仏があると聞き訪れてみた。

朱色の仁王門の先には巨岩が のしかかるようにそびえ、その下の岩屋に観音堂が はめ込むような姿で建っています。
拝観料を払い観音堂右の入口を入ると、高さ 4mほどの千手観音が放射状に手を広げている。
石心塑像と云い、浮き彫りにした岩に塑土を盛り細部を仕上げたもので、現在は岩肌の姿です。
さらに進むと、釈迦三尊、薬師三尊、阿弥陀三尊の九体が並んでいます。
これら十体を大谷磨崖仏と呼び、平安時代後期から鎌倉時代の石仏として国の重要文化財と特別史跡に指定されています。
残念なことに、磨崖仏なのに撮影禁止の札がやたら貼ってある、、、、、、撮れなかった。

磨崖仏下の地層から土器片や石器、貝殻、獣骨、埋葬された人骨などが出土しており、隣接する資料館で展示しております。

道路を挟んだ反対側、大谷石の採石場跡に 第 2次世界大戦戦没者の冥福を祈って造られた、高さ 26メートルの巨大な観音像磨崖仏があります。

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