戦国時代に活躍した村上水軍ゆかりの島で、山の中腹から山頂にかけて 700体余の石仏が立ち並んでいると聞き訪れてみた。
島北部にある白滝山麓の駐車場から仁王門をくぐり、標高 227mの山頂まで歩 30分、中腹の駐車場から 10分ほどです。

山麓と中腹駐車場からの参道が合流してまもなく、左折する道を見ながら直進すると左側の岩肌に慈母観音磨崖仏が姿を見せ、少し先の急な石段を登り切ると山門です。
正面に観音堂、右は尾根道で羅漢像・四国札所本尊像・阿弥陀三尊像・釈迦三尊像などがびっしりと並んでいます。
尾根道を登り切ると鐘楼と展望台があり、瀬戸内に浮かぶ島々・本四連絡橋の眺望は素晴らしいです。

観音堂左の自然石には十字架を刻んだ観音磨崖仏があり、その石の上には烏天狗像などを安置、山門先すぐ右の円筒自然石?の外周に 10体ほど像を刻み、その上に多宝塔を乗せるなど境内は珍しい石仏で一杯です。

これらの石仏は、文政年間に因島育ちの柏原伝六が 神道・仏教・キリスト教・儒教の教えを一つに融合した新興宗教 「一観教」 を編み出して数千人余の信者を集め、尾道の石工などを呼び寄せ刻んだと伝えています。

一人の教祖によって生まれた新興宗教の石仏、義軌にこだわらず?自由な発想?による特異な像形は、信州の修那羅山や霊諍山の石神仏ほどではない?が烏天狗像などに共通しているようです。
こちらは修那羅山や霊諍山に比べて、像も大きく数も多いです。

島の中央部には、南北朝から室町・戦国時代にかけて活躍した村上水軍が残した歴史資
料を展示した資料館・因島水軍城(再現)が金蓮寺(菩提寺)の裏山山頂にあります。

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