恐山:ずいぶん昔だがイタコが死者の霊を呼んでいるテレビの印象が非常に強かった。
死者の世界にいる先祖や肉親などと現世に生きる人との仲立ちをし、今は亡き人の意志を伝達する いわゆる「仏降ろし」の場面でした。
いま、イタコの数は年々減り続け青森県内に十数名、後継者はほとんどいないようです。
放映直後?に購入した下北半島と霊場恐山の観光ガイドブックを手に訪れてみた。

霊場恐山は下北半島の中央部に位置し、日本三大霊場(恐山、高野山、比叡山)の一つで、貞観4年(862)慈覚大師円仁の開山と伝えています。
境内は、硫黄の匂いと火山岩に覆われた「地獄」と呼ばれる風景、子供の霊をまつる時に挿すものらしい?赤い風車がまわる「賽の河原」、美しい湖岸が広がる「極楽浜」など、現世と来世の風景?が広がっていた。
3時間ほどの散策後山門右奥の小さな湯小屋「薬師の湯」に身を沈めてみた。
小屋の中は、木造りの実に好ましい長方形長短の湯船が二つ、無造作に引かれたパイプからは触れない程の熱い温泉が、そして蛇口からは冷たい水が程良い湯加減に流れていた。
境内には4ケ所に無料の薬湯があり、それぞれに効能があるようです。

戦後マスコミが「死者の魂が集まる山」といったイメージを放映した?。
もともと下北地方には季節ごとに恐山に詣でて地蔵菩薩に大漁や五穀豊穣、家内安全、無病息災といった現世利益を願う「地蔵講」が盛んで「恐山の薬湯」は、かつては五霊泉と呼ばれ湯治客で賑わっていたそうです。
境内に宿坊があり 一泊二食付き五千円で宿泊できるようです。
夜中にタオルを手に湯小屋まで .....試してみたいが勇気がない ....
......いま、宿坊内に「御法の湯」があるそうです。

むつ市街より恐山への街道左斜面に、1杯飲めば10年、2杯飲めば20年、3杯飲めば死ぬまで若返ると言われている湧き水「 冷水(ひやみず)」があります。
ここが俗界と霊界の境で、この水で手を洗い口をゆすぎ霊場恐山へ入るのだとか。
文字どおりの 「冷水」 で喉を潤してくれました。
大型ペットボトルに詰め 帰りの車中で全部飲んでしまった ........何年若返るのかな。
この 「冷水」 の前後から、赤や白のおべべを身にまとった道丁仏・観音像が時々道路脇に現れ道案内してくれます。
恐山は、すりばち状のカルデラ湖である宇曽利湖を中心とした釜臥山、大尽山、小尽山、屏風山などの八峰から成る外輪山の総称で 「恐山」 という名の単独峰は地図に無かった。

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